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行ってきたレポート vol.4「第41回 生活が育てた器たち 砥部焼展」
こんにちは。
行ってきたレポートvol.4は「第41回 生活が育てた器たち 砥部焼展」。
ぽってりとした厚みの白磁に藍色の染付。そんな印象を持つ、愛媛県砥部町を中心に生産される砥部焼の世界に飛び込んできました。
砥部焼の歴史
外山(とやま)という地域から取れた砥石「伊予砥」を加工する際に出る屑を利用し、大州藩が財政の立て直しを図ろうと磁器開発に取り組んだのが砥部焼の始まり。1777年、杉野丈助が上原窯を築き、磁器の焼成に成功します。
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1882年、梅野政五郎が梅野精陶所(梅山窯)を開窯、1893年には、向井和平(愛山窯)が開発した象牙色の「淡黄磁」が、シカゴ万博で一等賞を獲得します。1917年ごろには型絵染付の「伊予ボール」と呼ばれた茶碗を東南アジアに向け大量に輸出、最盛期を迎えます。
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伝統的模様である唐草紋〈梅山窯〉
戦後、民藝運動の祖である柳宗悦らが梅山窯を訪れ、機械化による量産を戒め、実用食器が少ないことを指摘。「手作り、手描き」という現在の砥部焼の礎が築かれます。
1976年、砥部焼は国の伝統的工芸品に指定されました。
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日常使いの器
砥部焼は日常に気兼ねなく使えるタフな「暮らしの器」として愛されてきました。
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しっかりとした厚みは日常で使う器としての安心感があり、白磁に藍の清々しい色合いはどんな料理にも寄り添ってくれます。
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ぽってりとしたフォルムが愛らしい玉縁鉢〈千山窯〉
現代の砥部焼は、白磁に手描染付という伝統を守りながら時代に寄り添い、それぞれの窯が個性を魅せていました。
それぞれの窯の魅力
〈陽貴窯〉古典的な文様も取り入れた染付の器を製作している田中貴美子さんの窯。
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ざばっとサラダを盛りたい!と思わせてくれた大きさとかたち。内側まで丁寧に描かれているのが素敵。
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手描きでこのお値段。ほどんどの窯が家内制手工業、ロクロによる成形から絵付けまでを一貫製陶で行われている砥部焼。
日常使いの器だから、とはいえこの労力を考えると…色々と考えさせられます。
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細やかで味のある手描き。
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手に馴染む六角形、優しいススキ。
〈陶房遊〉
2003年に松田啓司さんが開窯した陶房遊。錆青シリーズは、呉須(焼成すると鮮やかな青色に発色する顔料)と鉄色が美しく、古代ペルシア陶器を彷彿とさせる雰囲気を漂わせていました。
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大皿好きなのでスーッと吸い寄せられた器。新鮮な緑をどっさり盛りたい。青×茶×緑の色合わせは美しい。
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それはサンタフェ(ニューメキシコ州)を思い出す色。
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盛り付けた料理にちょっとおすまし感がでる、高台が高い姿も好き。
クラックもいいね。
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〈きよし窯〉
二代目山田公夫・ひろみさん夫妻を中心に、砥部焼に惹かれた職人たちが集う窯元。各工程は手作業で丁寧に行われています。
目を奪われたのが、青のグラデーションの美しさ。凹凸がつけられた生地によって青の濃淡が生み出されています。
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なんて端正。すっと背筋が伸びる感覚を覚えました。
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〈佐藤窯〉
ふんわり優しい雰囲気が漂っていた佐藤窯。たんぽぽやつくし、お魚などが描かれた器を見ていると、心の奥底に眠っていた柔らかい記憶がじんわりと押し出されてきました。
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作り手の方の優しさがギュッと詰まっていた器たち。
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小さな足がちょこんとついた「石の器」も、今にもトコトコ歩き出しそうで愛らしかった。
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花器として使われていた大きなたんぽぽも素敵でした。
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「生活が育てた器たち」
柳宗悦は「用と美が結ばれるものが工芸である」と提唱し、1925年(大正14)に民藝(民衆的工芸)という言葉をつくりました。
それは人々の暮らしから生まれた手仕事の文化。
繰り返しの作業による熟練した職人技や知識は伝統となる。無名の職人が無心に作ったものから生まれる美。とても豊かな在り方だと思う。
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1日に100個以上成型するというスピード。目の前であっという間に陶土が器の形になっていきました。
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松屋銀座で41年間続いた「砥部焼展」
松屋銀座開店100周年を記念し、出店窯元から選りすぐった100種類の小皿・小鉢が集結した「TOBE100小皿・小鉢」のコーナー。
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「手作り、手描き」を中心に約250年ものづくりをしてきた砥部焼。この伝統が貫かれているので、どの窯の器を組み合わせてもゆるりとした統一感が生まれる。
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今年で41回目という「生活が育てた器たち 砥部焼展」。
『生活が育てた器たち』という山田節子さん考案のテーマが41年間変わらず続いているという驚異。時を経ても多くの人の心に住み続けている美しさなんだろうな。これぞ民藝。
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使う人を想いながらつくる人がいて、使う人と混じり合うことで生まれてくる美がある。
私は、作った人と使う人両者の「喜び」を交換することが買い物だと思っています。41年間、その出会いの場を提供してきた松屋銀座店。今年も嬉しいエネルギーが充満していた8階の催事場でした。
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※本年の開催は終了いたしました。
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Lulu.
2010年~2021まで11年間、VOGUE JAPAN でブログを執筆。馬と博物学的世界、ムー的世界を愛し、不思議を視たい!と旅に出て、「好き」と「感動」を掻き集める。高校時代に障害飛越にのめり込み、今はたまーに外乗を楽しむ50代。現在はnoteで発信。
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