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森さんちに、​おじゃましました​ “北欧” 経由、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアvol.40

はじめまして。​北欧の​旅や​暮らしの​情報を​発信している​森百合子と​申します。​北欧の​国々を​旅するようになって​15年ほどが​経ち、​わが​家には​布や​食器など​北欧モノが​増え、​旅先では​部屋づくりや​暮らしに​役立つヒントにも​たくさん​出会いました。​これから​月に​1回ほどの​ペースで、​わが​家で​取り入れている​北欧経由の​暮らしの​アイデアを​ご紹介していきたいと​思います。​どうぞよろしく​お願い​いたします。

風通しの​いい​キッチン

年末が​近づいてきましたね!​つい​この間、​始まったばかりと​思った​一年が​もう​終わってしまう……​気持ちが​焦る​季節ですが、​「今年も​一年​おつかれさまでした」と​友人たちと​食卓を​囲んで​乾杯したい​時期でもあります。

わが​家でも​ひさしぶりに​友人たちと​クリスマスパーティや​忘年会を​しようと​計画が​持ち​上がっています。​自宅で​おもてなしと​いうと、​準備が​大変。​掃除もしなくちゃ、​何を​作ろう、​買い出しは​どうする……と​考えている​うちに、​楽しみと​いうよりも​気が​重い……​そんな​気持ちに​なる​こと、​ありますよね。​ただで​さえ​気忙しくなる​時期に、​家に​招いて​ホスト役なんて​できるのだろうか、と。​とくに​ここ数年は​人を​招く​機会が​減っていたので​「何から​準備するんだったっけ?​ どれくらい​準備したら​いいんだっけ?」と​すぐに​頭が​まわらず、​腰が​重くなっていた​気が​します。

さて​そんな​時に​意識するのは、​キッチンの​風通しを​よくしておく​こと。​その​イメージは、​いつも​ホームパーティを​してくれる​デンマークの​友人から​ヒントを​もらいました。​友人宅の​キッチンは、​見た​目や​使い​勝手が​いいのは​もちろん、​家族でも​客人でも​出入りが​しやすく、​開かれた​場に​なっているのが​いいんですよね。​

ダイニングとの​仕切りが​なく、​部屋の​角に​設えられた​L字型キッチンは​文字通りオープンな​造り。​対面には​小ぶりの​カウンターテーブルが​あって、​ホームパーティの​時には​ここに​料理が​ずらりと​並べられ、​客人が​各々とりわける、​いわゆる​ビュッフェスタイルで​楽しみます。

器づかいも​素敵だし、​デンマークの​食材が​目に​新鮮で、​みんなが​手を​つける​前に​「待って​待って」と​いつも​写真を​撮らせて​もらうのですが​「変わり​映えの​しない​同じ​メニューよ!​買ってきた​ものも​多いし、​大した​ことしてないのに」と​ホストである​友人は​おどけます。​いえいえ、​その力の​抜けたもてなし具合が​いいのですよ。

ニシンの​マリネ、​ハムや​サラミなどの​コールドカットと、​確かに​市販品も​並んでいますし、​じゃが​い​もの​スライスに​カット野菜と​「切って​並べただけ!」の​お皿も​あるのですが、​デンマークの​お母さんの​味と​いわれる​レヴァポスタイ​(レバーペースト)や、​白身魚の​フライなど​メインの​一品は​いつも​お手製。

飲み物は​ダイニングテーブルに​ワインや​ノンアルコールが​数本、​ボトルで​用意され、​こちらも​「セルフサービスで​どうぞ!」の​スタイル。​そう​言いながら、​友人は​ボトルを​持って​空いた​グラスに​おかわりを​すすめて、​みんな​とおしゃべりも​楽しんでいます。

お皿や​グラスを​片付けたり、​足りなくなった​野菜や​コールドカットを​冷蔵庫から​取り出すのは、​家族や​友人​各々が​気づいて​手助けを​しています。​ホストひとりが​準備や​片付けに​集中しすぎず、​誰もが​キッチンに​向かう​流れが​できているのです。​だから​私も​ホスト役の​友人と、​旅の​話や​会えなかった​時間の​こと、​デンマークの​習わしに​ついて、​あれこれ聞いたりおしゃべりを​心置きなく​楽しめて、​それが​とても​嬉しいのです。

自分の​家での​ホームパーティに​まだ​慣れていなかった​頃は、​準備に​気合いを​入れ、​当日は​お皿や​グラス、​料理を​出したり片付けたりに​精一杯で、​友人た​ちが​帰った​後に​「……​ああ、​ぜん​ぜん​みんな​とおしゃべりできなかった」​「ひさしぶりに​会ったのに、​気持ちに​余裕が​なさすぎた」​「パーティを​やっても、​疲れる​ばっかり!」と​落ち込むこともありました。​友人たちは​「手伝​おうか?」と​言ってくれたのに、​「だいじょーぶ、​だいじょーぶ」と​キッチンに​入るのを​拒んでしまった​こともありました。

デンマークのもてなしに​影響を​受けて、​いまでは​すっかり​「料理は​これだけ​作って、​あとは​適当に​(買うか、​もってきて​もらうか)!」​「切り分け、​取り分けは​各々やって​もら​おう」と​肝が​すわりました。​そうした​ペースを​友人たちも​わかってくれて​「キッチン、​入るね~」​「これ洗っとくね~」と​ほい​ほいと​キッチンに​入って、​手伝ってくれるのも​ありが​たく、​こうなってくると​ホームパーティへの​気負いが、​ぐっと​減るんですよね。​「いろいろと​至らない​ことが​あっても、​何より​大事なのは​友人と​会って、​時間を​楽しむこと」。​ホームパーティが​億劫に​なりがちな​時は​この​考えを​思い出します。

そう​そう、​わが​家で​台所の​リノベーションを​する​時に、​壁の​一面に​憧れの​スウェーデンの​壁紙を​貼りました。​カラフルな​柄に​惹かれて、​「わあ素敵ね、​キッチン見せて~」との​ぞいてくる​友人もいます。​風通しの​いい​台所に​ひと役、​買ってくれましたね。

わが​家の​パーティで​定番メニューと​なっている、​手軽に​作れる​北欧料理の​レシピは​こちらでも​ご紹介しています。​失敗知らずの​簡単さで、​とても​喜ばれるので、​おすすめですよ!

忙しくなる​この​時期こそ、​「これで​いいんだ!」を​思い出しつつ、​乗り​切っていければ​いいですよね。​みなさまも、​どうぞよい​年末年始を​お過ごしください。

バックナンバー

森さんが​教えてくださった、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアは​他にも​たくさん!

vol.39​「バック・トゥ・ヒュッゲ」

詳しくは​こちら

vol.38​「夏こそ、​いとを​かし」

詳しくは​こちら

vol.37​「時には、​引いて​見る」

詳しくは​こちら

vol.36​「理想の​お買い​もの」

詳しくは​こちら

vol.35​「疲れた​時の、​北欧ごはん」

詳しくは​こちら

森 百合子 mori yuriko


北欧5ヶ国で​取材を​重ね、​旅や​暮らし、​デザインの​情報を​中心に​発信。​著書に​『3日で​まわる​北欧』​(トゥーヴァージンズ)、​『北欧​おみや​げ手帖』​(主婦の​友社)、​『いろはに​北欧 わたしに​“ちょうど​いい”旅の​作り方』​(ダイヤモンド・ビッグ社)​ほか。​執筆活動に​加えて、​NHK Eテレ『趣味どきっ!』、​NHK 総合『世界は​ほしい​モノに​あふれてる』など​メディア出演や​講演を​通じて​北欧の​魅力を​伝えている。