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森さんちに、​おじゃましました​ “北欧” 経由、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアvol.41

はじめまして。​北欧の​旅や​暮らしの​情報を​発信している​森百合子と​申します。​北欧の​国々を​旅するようになって​15年ほどが​経ち、​わが​家には​布や​食器など​北欧モノが​増え、​旅先では​部屋づくりや​暮らしに​役立つヒントにも​たくさん​出会いました。​これから​月に​1回ほどの​ペースで、​わが​家で​取り入れている​北欧経由の​暮らしの​アイデアを​ご紹介していきたいと​思います。​どうぞよろしく​お願い​いたします。

猫の​いる​場所

「森さんの​うちでは、​猫ちゃんは​どんな​風に​過ごしていますか?」と​先日、​尋ねられました。​最近は​「猫と​暮らすインテリア」を​テーマに​した本や、​猫の​ための​住まい​づくりなどが​注目されていますよね。​今回は、​わが​家の​猫たちの​居場所に​ついて​書こうと​思います。​

朝、​目が​覚めて​リビングを​のぞくと、​こうして​寝ているのを​見つけます。​猫の​ホタテは​アイスランドで​買ってきた​クジラの​ぬいぐるみが​お気に​入りで、​いつも​頭を​押しつけて​寝ています。​この​クジラ、​アイスランドの​伝統的な​ロピーセーターを​リサイクルして​作った​もの。​太い​毛糸の​ざっくりと​した​肌触りが​いいのでしょうか。

ざっくりと​した​肌触りと​いえば、​キッチンや​バスルームに​敷いている​スウェーデンの​裂き織りマットも​猫たちの​お気に入り。​先輩猫の​ウニも​よく​この​上に​乗っていました。​病気が​見つかり、​昨年の​1月に​ウニは​旅立ってしまったのですが、​病気に​なってからも​よく​この​上で​過ごしていました。​朝は​ここで​「ごはん、​まだですか」の​表情を​していた​ウニ。​冬の​キッチンは​冷えるので、​マットの​上に​鎮座しているのを​見て​ほっとした​ものです。

ホタテは、​コットンの​ぱりっとした​肌触りも​好きなようで、​マリメッコの​布で​作った​クッションの​上でも、​よく​寝ています。​あの​ちょっと​ハリの​ある​生地が​いいのでしょうか。​寒い​時期は​ソファや​毛布の​上、​あたたかくなってくると​マリメッコの​布の​上……と、​ホタテが​寝る​場所から、​季節の​移り​変わりを​感じます。

猫たちと​暮らす上で​試行錯誤しているのは、​飾る​ものと飾る​場所に​ついて。​おそらく​猫と​暮らす人は​みな、​頭を​悩ませる​部分ですよね。​わが​家の​猫ズは​机や棚に​ある​ものを​片っ端から​落と​すほどの​いたずら​好きではないのですが、​それでも​時折やられます。​フェルトの​小物が​あっと​いう​間に​クシャクシャに​されてしまった​ことも​あれば、​イースターに​飾っていた​小さな​ヒヨコたちが朝、​起きたら​すべて、​なぎ倒されていた​ことも。

フェルト物を​飾るのは​危険かな……と​一時は​あきらめて​いたのですが、​玄関の​窓辺だけは​乗らない​ことが​わかり、​季節の​飾りや​フェルト小物を​飾る​場所と​なりました。​年末に​手に​入れた、​かわいい​縁起物の​猫たちもいまの​ところは​攻撃されずに​おります。

北欧の​家では、​窓辺に​お気に​入りの​置き物や​ガラスの​器などを​置いて​楽しみます。​光が​差す窓辺は​部屋の​主役であり、​窓辺こそ​お気に​入りの​あれこれを​飾る​場所と​いった​感じで、​その家に​住む人の​個性が​伝わる​場所でもあります。​そんな​窓の​あり方に​憧れて、​わが​家では​リビングを​リノベーションする​際に​出窓を​作ったのです。​さあ、​ここに​何を​飾ろう、​北欧で​買ってきた​陶器の​フィギュアを​並べるのも​いいな​あ……なんて​思っていたのですが、​日当たりの​いい​窓辺は、​猫たちの​お気に​入りの​くつろぎ場所と​なりました。

ウニと​兄弟猫の​コハダは​わが​家に​来て​数日後には、​ふたり​揃って​窓辺に​転がっていました。​もともと​置いていた​照明も、​すみに​追いやられてしまうので​片付けようかとも​思ったのですが、​なんだか​猫ズは​この​照明が​好きなようなのです。​フィンランドの​デザイナー、​ハッリ・​コスキネンに​よる​照明は​電球を​ガラスに​閉じ込めたような​斬新な​デザイン。​窓辺に​ぽっと​灯りがともっていい​雰囲気なのですが、​猫たちに​とっては​枕に​ちょうど​いいみたいです​(眩しいでしょうに…)。

雑貨は​飾れなくなってしまった​窓ですが、​カーテンに​している​北欧の​テキスタイルの​影から​猫たちがちらっと​見える、​それが​いいんですよねえ。​かわいいとか​わいいの​掛け合わせで、​無限に​かわいい。​ああ、​かわいい。

北欧と​猫、と​いえば​昨年に​観たノルウェー映画『ヒューマン・ポジション』は​北欧の​部屋と​猫を​堪能できる​映画でした。​フィヨルドを​のぞむ港町を​舞台に、​主人公と​パートナーの​日常や​気持ちの​変化が​静かに​描かれていくのですが、​一緒に​暮らす子猫も​登場するのです。

北欧らしい​淡い色の​壁の​前で、​座り心地の​良さそうな​椅子の​上で、​そして​窓辺で。​くつろぐ​子猫の​愛らしい​こと。​人間が​自分の​立場や​居場所に​悩んだり、​どこか​遠く​へ​思いを​馳せている​そばで、​子猫は​我関せず、​勝手きままに​居場所を​見つけては​ご機嫌に​過ごしていて、​猫は​居心地の​いい​場所を​見つける​天才だなと​感じ入りました。​そして、​わが​家で​ものびの​びと​気に入った​場所を​みつけて​暮らして​ほしいと​改めて​思った​ものです。

仕事部屋の​本棚の​上も​ホタテの​定位置。​仕事を​していると、​ここからじーっと​見つめられている​ことがあります。​棚の​上に​置いているのは​フィンランドで​買った​郵便用ボックスです。​資料や​書類入れに​しているのですが、​この​上で​寝るのが​お気に​入りの​ご様子。​ホタテは​箱で​爪とぎを​するのが​好きで、​この​箱でも​とき​どきやられています。​最初は​「わあ、​せっかくの​箱で、​やめて​やめて」と​慌てましたが、​すっかり​ホタテの​ベッドと​なったいまでは、​管理は​おまかせしています。

【新刊の​お知らせです】

北欧の​旅を​綴った​エッセイ本『待ち​あわせは​北欧で』​(だいわ文庫)が、​4月10日に​発売と​なります!
フィンランド、​スウェーデン、​デンマーク、​ノルウェー、​アイスランド、​そして​バルト三国の​エストニアを​旅して​出会った​人々との​交流や、​忘れられない​旅の​時間、​わたしの​好きな​北欧の​場所や​旅の​過ごし方を​書いた​一冊です。​昨年刊行した​『探しものは​北欧で』に​つづいて​「おふとんの​中から​北欧を​旅する」ような​エッセイの​第2弾。​ぜひ​読んでいただけたら​嬉しいです。

バックナンバー

森さんが​教えてくださった、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアは​他にも​たくさん!

vol.40​「風通しの​いい​キッチン」

詳しくは​こちら

vol.39​「バック・トゥ・ヒュッゲ」

詳しくは​こちら

vol.38​「夏こそ、​いとを​かし」

詳しくは​こちら

vol.37​「時には、​引いて​見る」

詳しくは​こちら

vol.36​「理想の​お買い​もの」

詳しくは​こちら

森 百合子 mori yuriko


北欧5ヶ国で​取材を​重ね、​旅や​暮らし、​デザインの​情報を​中心に​発信。​著書に​『3日で​まわる​北欧』​(トゥーヴァージンズ)、​『北欧​おみや​げ手帖』​(主婦の​友社)、​『いろはに​北欧 わたしに​“ちょうど​いい”旅の​作り方』​(ダイヤモンド・ビッグ社)​ほか。​執筆活動に​加えて、​NHK Eテレ『趣味どきっ!』、​NHK 総合『世界は​ほしい​モノに​あふれてる』など​メディア出演や​講演を​通じて​北欧の​魅力を​伝えている。