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ソムリエ郁子の​365日ワインの​旅 第7回 スペイン篇

ワインの​法律、​歴史、​造り手など、​たくさんの​知識は​ワインの​楽しみ方を​広げますが、​詳しくなくても​問題なし。
ワインは、​美味しい。​美味しい​ものは、​人を​しあわせに​する。

この​コラムでは、​松屋銀座の​ワイン売場​「グルマルシェ ヴァン」にて​日々、​ワインの​魅力を​お客様に​お伝えしつづける​「ソムリエ郁子」が、​ 気軽に​楽しめる​ワインの​お話を、​生産国ごとに​お届けしていきます。

プロフィール

ソムリエ郁子​(​そむりえ いく​こ)


ソムリエの​資格を​持つ、​松屋銀座の​和洋酒バイヤー。​お酒を​飲むと、​グラス1杯で​トリップできる能力​あり。​好きな​食べ物はりんご。​シードルや​カルバドスも​大好き。​最近​ハマっているのは、​娘と​地元の​銭湯に​行く​こと。

伝統と​革新。​新たな​可能性に​満ちた、​スペイン・リオハワイン。

お久しぶりです、​ソムリエ郁子です!
今回は​スペイン・リオハの​ワインを​ご紹介したいと​思います。

郁子が​考える、​スペインワインの​美味しさの​理由は​下記3点です。

①​多様性
②ワイン造りの​歴史の​長さ
③​多様性×歴史=掘り出しものが​多い

①スペインは​多様性に​満ちた​国!
スペインは​17の​州が​ありますが、​州ごとに​言語や​文化が​異なり、​「同じ国なの?」と​思う​ほど​多様性に​富んでいます。​まるで​小さな​国の​寄り合い​所帯と​いった​感じで、​スペインの​人々は​自分たちの​出身州や​その​伝統を​大切に​しています。

今回ご紹介する​リオハは、​スペイン北東部の​山沿いの​盆地に​位置し、​その​大半は​標高が​高い​地域です。​スペインの​原産地呼称では​最上級の​「特選原産地呼称」に​認定されており、​最も​代表的な​産地と​言えます。

②スペインは​ワイン造りの​伝統国!
スペインの​地では、​紀元前1,100年頃には​ブドウの​栽培が​はじめられた​と​言われています。​711年から​1492年に​かけては​イスラム王朝の​支配下に​ありましたが、​1479年に​カスティージャ王国と​アラゴン王国が​合併し、​スペインが​誕生。​その後、​アフリカや​インド洋、​南米に​植民地を​建設した​スペインは、​「太陽の​沈まぬ帝国」と​称賛されるように。

19世紀後半、​フィロキセラ禍※に​より、​新たな​ワイン生産地を​求めて​移住してきた​フランス人から、​スペイン・リオハに​ボルドーの​醸造技術が​伝えられると、​ワイン造りが​盛んに​なりました。

※ブドウ樹の​根系に​寄生して​養分を​吸い​尽くしてしまう​小さな​害虫が​大量発生。​その​結果​フランス各地の​ブドウ畑は​急速に​衰退し、​多くの​樹が​枯死と​いう​結末を​迎えた。

その後、​「無敵艦隊」が​イギリス海軍に​敗れ、​次第に​世界での​勢力を​失うと、​政情不安から​ワイン造りも​停滞気味に​なりますが、​1975年に​ファン・カルロス一世が​即位してからは、​世界との​貿易が​活発化。​繁栄の​時期が​再び訪れ、​ワイン造りも​盛んに​なり、​今に​至ります。

③スペインワインは​掘り出し物が​多い!
ブドウ栽培面積や​生産量は​ヨーロッパ内でも​トップクラスクラスと​いう​中で、​スペインの​各地域の​ボデガ​(ワイナリー)は、​伝統を​最も​大切にしながらも​革新的な​動きを​見せるようになり、​国際市場からも​その​多彩な​個性と​品質が​大変高く​評価されつつあります。

実は、​ソムリエ郁子は、​大の​スペインワイン推し。
皆様に​ついに​その​魅力を​お伝えできる​ことを、とても​嬉しく​思います!

スペインワインエキスパート・ワイン姉御、​参上。

ソムリエ郁子 ​今回は、​松屋の​ワイン売場​「グルマルシェ ヴァン」の​クルーきっての​スペインワイン通で​“ワイン姉御”と​名高い、​野宮ユミさんが​初参加!​スペイン・リオハの​ワインを​試飲しつつ、​その​魅力に​ついて​語って​もらいます。

野宮 ​はじめまして、​“ワイン姉御”​(笑)の​野宮です!

ソムリエ郁子 野宮さんは​スペインの​バルセロナに​長く​お住まいだったんですよね。

野宮 はい。​1991年から​1996年、​そして​2006年から​2009年まで​住んでいました。

ソムリエ郁子 スペインは、​どんな​国でしたか。

野宮 とっても​自由で​楽しい​国です。​お腹に​赤ちゃんが​いた​時、​医師に​注意すべきことを​確認した​ところ、​「フラメンコを​踊っても​よし、​ワインも​OK」と​言われてすごく​驚きました。

ソムリエ郁子 日本とは​かなり​違いますね!

野宮 スペインでは​ランチコースの​ドリンクと​して​水、​ビール、​ワインの​どれかを​選べる​こと​多くて。​ワインを​選ぶと、​テーブルワインでしたが​2人で​ボトル1本提供されるのです。​「酒飲み天国だ!」と​いつも​喜んでいました​(笑)

ソムリエ郁子 野宮さんは、​現在酒類関連だけでも​5種類の​資格を​お持ちなんですよね。

野宮 スペインは​国中に​ワイン産地が​あるので、​各地の​ボデガを​巡っていたのですが、​そのうちに​さらに​興味が​増して、​ディプロマの​取得などに​向けて​勉強を​はじめたんです。

ソムリエ郁子 野宮さんが​お客様に​ワインを​お薦めする​際、​大切に​している​ことを​教えていただけますか?

野宮 まず​誠実である​こと。​自分が​テイスティングして​その​ワインの​良い​ところ、​「推しポイント」を​見つけて​それを​お伝えしたいと​思っています。​ワインは​飲料で​ありながら​文学、​音楽、​絵画と​並び得る​文化的背景の​ある、​人を​感動させる​要素の​ある​ものですから、​ワインの​楽しさを​知る​一助と​なれば​いいなと​思っています。

ソムリエ郁子 なる​ほど!

野宮 あとは​私は​必ず試飲を​して、​自らが​納得した​ワインを​お薦めするように​しています。​もちろん、​押しつけには​ならない​よう気を​配っていますが、​お客様の​生活を​彩る​1本に​なるように、と常に​考えています。​お客様が​その後また​ご来店に​なり、​美味しかったよ、​と声を​かけてくださる​ことが​励みに​なっています。

ソムリエ郁子 野宮さんは​大変勉強熱心で、​現在も​様々な​勉強会に​参加したり、​試飲を​行ったり、​また​その​知識を​仲間に​伝える​ことも​大切に​しています。​店頭クルーからも​慕われていますよね。

野宮 ​ありがとう​ございます。

ソムリエ郁子 知識は​自らの​ものだけではなく、​伝えてこそ​活きますものね。

スペイン・リオハで​エレガントな​ワイン造りに​勤しむ、​<ゴメス・クルサード>。

野宮 ここからは​私野宮と​「グルマルシェ ヴァン」の​クルー仲間の​津田さんとで、​<ゴメス・クルサード>の​ワインの​テイスティングを​行いたいと​思います。

津田 よろしく​お願いします!

〜​今回の​メンバー〜

野宮ユミ(左)​「グルマルシェ ヴァン」にてワインの​販売を​担当。​JSAワインエキスパート・エクセレンスや​JSA SAKE DIPLOMAなど​お酒に​関する​様々な​資格を​持つ、​まさに​お酒の​プロフェッショナル。​スペイン・バルセロナにて居住歴​あり。

津田千秋(右)​201​8年入社。​新米ワインエキスパート。​お酒を​飲むことが​大好き。​好きな​ブドウ品種は​ジンファンデル。​濃厚な​果実味と​力強さが​最高。

津田 ​今回は​スペインの​中でも、​リオハの​ワインを​試飲すると​いう​ことで。

野宮 ​思えば​スペイン在住だった​頃、​ホームパーティーなどの​お招きを​受けた​際は、​必ずリオハの​ワインが​サーヴされてたんですよね。

津田 ここぞと​いう​時に、​選ばれる​ワインなのですね。​今回の​<ゴメス・クルサード>の​魅力は​どんな​ところに​あるのでしょう?

野宮 まず、​1886年創業で​歴史は​かなり​古い​ボデガです。​伝統を​重んじていますが、​味わいには​ブルゴーニュ的な​エレガントさが​あります。​進取の​気性に​富んでいる​優れた​造り手ですね。​生産量が​少ないので​知名度は​そこまであるわけではないのですが、​大変レベルの​高い​ワイン造りを​行っています。

津田 スペインワインで​ありながら、​ブルゴーニュ的な​エレガントさ?

野宮 スペインワインの​典型的な​スタイルとは​少し​違うんですよね。​昨年​お会い​した​アマイアさんいわく、​「私たちは​トラディショナル​(伝統的)で​ありながら、​決して​クラシック​(古典的)な​造り手とは​言えません。​クラシックであるには​熟成期間が​求められますが、​私たちは​熟成期間が​ワインの​品質を​決める​ものではないと​考えていますから」との​こと。​リオハの​ワインは​ボルドースタイルの​ものが​多い中、​ブルゴーニュのように​単一畑や​ヴィラージュで​ブドウを​育ている​ほか、​この​地域では​珍しい​「エッグセメント」と​いう​タンクも​導入していたりと、​とても​面白い​造り手ですね。

津田 歴史が​ありつつ、​先進的でも​あるんですね。

野宮 2017年からは​すべての​自社畑で​ビオロジックに​取り​組んでいる​そうです。​また、​一般的な​リオハの​ブドウ畑の​風景と​いえば、​谷底盆地に​広がる​フラットな​畑に​なりますが、​<ゴメス・クルサード>の​畑は、​標高650~700mに​位置する​オリャウリ村に​あり、​時に​傾斜が​50度以上にもなる​急勾配の​土地で​ブドウが​栽培されています。

津田 一般的な​リオハの​ボデガより、​過酷な​土地で。

野宮 醸造長の​ダビド・ゴンザレスさんいわく​「フレッシュネス、​フルーティーさ、​ティピシティ​(産地の​個性)、​歴史への​リスペクトと​誠実さ。​これが​私の​大切に​している​こと」だそうで、​まさに​この​発言の​通りに、​ワインを​生産されていると​言えますね。

ゴールデンイエローの​輝きを​放つ、​リオハの​白を​テイスティング。

野宮 今回試飲するのは、​白ワイン1本、​赤ワイン2本の​計3本。​早速いただきましょう!

野宮・津田 乾杯!

野宮 1本目は、​ビウラ、​テンプラニーリョブランコ、​ガルナッチャブランカと​いう​3品種からなる​白ワイン​「ブランコ」です。

津田 すごい​好きな​味です。

野宮 とっても​厚みが​ありますよね。​黄色いフルーツ系の​香りに、​白い​お花と​ベルベーヌなんかの​ハーブ系の​香りが​少し。​そこに​ミネラルの​ニュアンスも​溶け込んでいて。​ちょっと​石灰みたいな​感じとか。

津田 お味は​いかがですか?

野宮 すごい​柔らかい​テクスチャーですよね。​香りに​感じたような​黄色い​果物系の​果実味が​しっかりと​感じられて、​その​後まるみの​ある​酸が​しなやかに​すーっと​伸びていって。​ちょっと​ヨードみたいな​ミネラル感も​感じつつ、​余韻を​苦味が​締めくくるような・・・。

津田 ああ、​苦味、​分かります。

野宮 ​それが​すごく​心地よい​余韻に​なって・・・。​アルコール度数は​13度ですが、​飲みごたえが​しっかり​あって、​充実感が​ありますね。

津田 色も​好きです。

野宮 輝きと​透明感の​ある、​濃いめの​ゴールデンイエローですね。​成熟した​ブドウから​造られている​ことが​よく​分かります。

津田 ああ、​美味しい・・・。​チーズと​一緒に​飲みたいです。

野宮 スペインの​ケソ・マンチェゴ、​イディアサヴァル、​オッソー・イラティなど、​羊乳の​チーズが​合うと​思います。​前菜系だと、​揚げじゃが​いもに​ピリ辛の​トマトソースを​ちょこっと​かけた​スペインの​おつまみ​「パタタスブラバス」や、​「ボケロネス」と​いう​イワシの​酢漬けを​乗せた​ピンチョスなどとも​合うんじゃないかなと。

津田 ​お料理だったら​どうですか?

野宮 ​「カラマレス・エン・ス・ティンタ」って​いう、​イカの​墨煮と​よく​合うと​思います。

津田 美味しそう!

野宮 ストラクチャー※が​しっかりしてる​ワインなので、​「バカラオ・アル・ピルピル」って​いう、​塩鱈を​ちょっと​塩抜きして、​オリーブオイル、​にんにくと​煮た​ものとか・・・。​あとは、​「サルピコン・デ・マリスコス」って​いう、​色々​細かく​切った​野菜や​魚介類で​作る​サラダと​合わせても​いいんじゃないかなって。

※ワインの​成り​立ちや​体格、​骨格の​こと。

津田 和食に​合わせるなら、​どんな​ものが​いいでしょう?

野宮 中華に​なっちゃうんですけど、​シュウマイなどの​点心系と​合わせたら​どうかなって。

津田 いいですね!​中華の​タレにも​負けない​感じが​ありますよね。​この​ワイン、​酸も​しっかり​ありますよね?

野宮 酸の​量自体は​しっかり​あるけど、​まろやかですね。​だから、​シャープな​酸が​苦手な​方にも​飲みやすいと​思います。

体感!​スペインの​赤ワイン品種の​代名詞、​テンプラニーリョの​重厚感。

野宮 2本目は​テンプラニーリョ、​ガルナッチャ、​グラシアーノからなる​赤ワイン​「オノラブレ」。

津田 色が​すごく​濃いですね。

野宮 中心に​黒みが​見えていて、​全体​的に​オレンジみを​帯びた​ダークチェリーレッド。​かなり​熟成が​進んでいますね。

津田 いただきます・・・うわあ!

野宮 けっこう​タンニン、​ガシガシですね。

津田 度数は・・・​15度。

野宮 見て​この​粘性、​すごいよ。

津田 ほんとだー!

野宮 涙※が​すごい。​これは​もう​アルコール度数が​高いって​言うのが​見ただけで​分かる。

※グラスに​入れた​ワインを​傾けた際、​グラス側面にとろりと​滴り​落ちる​しずくの​こと。

津田 全然たれてこないですもんね。

野宮 香りにも​すごいボリューム感が・・・​かなり​開いてますね。​黒系果実を​煮詰めたような​凝縮した​香りと、​そこに​甘草やシナモンと​いった​スパイス系の​香りが​溶け込んでいて、​ちょっと​木の​根っこみたいな​香りも・・・。

津田 あとは​乾いた​お肉とか・・・?

野宮 うんうん。​あと​ちょっと​カカオみたいな​香りとか。

津田 お花も​ありますか?

野宮 ドライフラワー系ですね。​スミレとか。​そこに​樽からの​ロースト香や​スパイスなどが​溶け合い​発展しているので、​しっかり​熟成しているなと。​でも​これ、​今が​飲み頃だと​思います。​いろんな​香りが​どんどん​出てきて、​開いてきて。

津田 今が​ちょうど​飲み頃!

野宮 若い​ワインだと​香りが​シンプルなんですよね。​フルーツ系の​香りに​若干の​花と​スパイスと​いったかんじで。​だけど​こうやっていろんな​香りが​どんどん​出てくるって​いうのが、​熟成が​進んだ​ワインの​楽しさなので。

津田 なる​ほど。

野宮 やっぱりもとの​ブドウが​いいから、​これだけ熟成できて​香りが​出ると​いう​ことなので、​いかに​ポテンシャルを​秘めたいい​ブドウを​使うかが​大事に​なってきますね。​<ゴメス・クルサード>は、​いい​ワインを​造りたいと​いう​情熱が​ある、​品質を​すごく​重視した​ボデガではないかと​思います。

津田 そうですね。

野宮 口に​含むと​最初に​フルーツの​甘みが​しっかり​感じられ、​その後に​すごくきめ細かに​溶け込んだ​豊かな​タンニンを​感じますよね。

津田 上品な、​くどくない​甘さですね。

野宮 きめ細やかな​酸と​タンニンが、​この​ワインを​しっかり​下支えを​しているから、​甘ったるくないのかも。​この​ワインで​使用されている、​スペインの​代表的な​品種の​一つ​テンプラニーリョは、​酸と​タンニンが​しっかりした​品種なので、​樽を​丁寧に​かける​ことに​よって、​エレガントに​仕上げる​ことができる。​リオハでは​伝統的に、​アメリカンオークを​しっかり​使って​熟成させて、​強い​タンニンを​少し​和らげて​飲みやすく​すると​いう​方​法を​とっていますが、​<ゴメス・グルサード>は、​フレンチオークも​取り​入れながら​エレガントに​仕上げていると​いう​印象です。

津田 この​ワインを​お料理に​合わせるとしたら?

野宮 リオハは​羊の​産地なので​ラムチョップとか​いいかもしれないですね。​あとは​ソーセージでも​有名なので​チョリソーとか。​レンズ豆も​よく​食べるので、​「レンテハス・コン・チョリソー」って​いう​レンズ豆と​チョリソーの​煮込みなんかと​合わせても​いいと​思います。

津田 合い​そう!

野宮 和食だと、​角煮とか?​あとは​甘みがけっこうしっかり​あるので、​デミグラスソースの​ハンバーグとか​照り​焼き系かな。​焼き鳥の​タレの​ものでも​いいし、​ちょっと​甘辛い感じの​もの・・・​例えば​甘辛いソースで​食べる​豚カツなんかと​合わせるのも​ありかも。

津田 いいですね!

野宮 あとは​さっき​お話しした​スペインの​チーズ、​イディアサヴァルや​オッソー・イラティに、​ブラックチェリーの​ジャムを​つけて​一緒に​飲んだら、​すごく​美味しいと​思います。​羊乳の​チーズって​ちょっと​甘みが​あるんですよね。

ガルナッチャの​イメージを​覆す、​と​ことんエレガントな​赤ワイン。

野宮 3本目は​私が​大好きな、​ガルナッチャ100%の​赤ワイン​「パンクルード」です。

津田 2本目より、​紫っぽいですね。

野宮 ​明るめの​ダークチェリーレッドと​言って​いいですね。

津田 いかがでしょう?

野宮 ​(香りを​嗅いで)わー・・・​フラワリー!

津田 “フラワリー”!

野宮 ザクロや​クランベリーなどの​赤系の​フレッシュフルーツを​クラッシュしたような、​とっても​クランチーな​香りが。​ガルナッチャって​レッドチェリー系の​香りが​強いイメージが​ありますが、​これは​一般的な​ものよりも​みず​みずしいですね。​透明感に​溢れていると​いうか。

津田 たしかに!

野宮 あとは​カトレアのような、​赤い、​大輪の​お花の​香りが。

津田 ファーって​広がる​感じが​しますね。

野宮 <ゴメス・クルサード>は​標高650mと​いう​ワイン産地と​しては​高い​土地で​ブドウ栽培を​されているだけ​あって、​出来​上がった​ワインに​綺麗な​酸が​保たれている​印象が​あります。​標高が​高い​土地は、​昼は​日の​光が​たっぷり​降り注がれ、​夜は​しっかり​冷えるので、​日較差が​あって、​酸を​保つには​最適なんですよね。

津田 なる​ほど!

野宮 口に​含んだ​時にも、​やっぱり​ザクロや​クランベリーのみず​みずしい​果実感が​しっかり​表現されていて。​中盤から​余韻まで、​きめ細やかな​綺麗な​酸が​ずっと​支配し、​この​ワインを​下支えしていて、​それが​エレガントさに​つながっているなって。

津田 とっても​エレガントです!

野宮 タンニンの​きめは​細かいですが、​まだ​少し​収れん性を​感じるので​発展中と​いう​印象です。​先ほど​飲んだ​2本目は​タンニンが​しっかり​あったんですけど、​こちらは​シルキーな​タンニン。

津田 なめらかですね。

野宮 ガルナッチャと​いう​品種は​糖度が​上がりやく、とも​すると​ “フルーツ爆弾”みたいな、​甘やかな​ワインに​仕上がりがちなので、​この​ワインを​初めて​飲んだ時は​衝撃を​受けました。​ガルナッチャで​こんなに​美しい​ワインが​造れるのかって!

津田 生産者の​こだわりのなせる​技ですね。

野宮 やっぱり​標高が​高いのと、​いい​ブドウを​使っていると​いうのが​大きいと​思います。​綺麗な​みず​みずしい​酸が​しっかり​ある​ことで、​ノーブルさを​演出できていて。

津田 ほんと、​ここまで​綺麗で​エレガントな​ガルナッチャは​貴重だと​思います。

野宮 ブルゴーニュワインが​お好きな方にも、​おすすめしたくなりますね。

津田 こちらは​どんな​お料理に​合わせましょう?

野宮 スペイン料理だと、​「ポジョ・アル・チリンドロン」って​いう、​いろんな​色の​野菜と​鶏肉を​トマトソースで​煮込んだ​料理とか​い​いかなと。​ちなみに​「チリンドロン」は​スペイン語で​「トランプ​遊び」と​いう​意味。​あとは​牛肉を​トマトソースで​煮込んだ​「ロパ・ビエハ」。​これは​スペイン語では​「古着」と​いう​意味で、​牛肉の​繊維が​裂けた​様子を、​ボロボロの​服に​なぞらえた​料理なんです。

津田 面​白いですね!

野宮 日本料理だと、​鰻の​蒲焼きとか​い​いかなって。

津田 それなら、​お寿司の​穴子とかも?

野宮 いいと​思う!​あと、​ローストビーフに​バルサミコを​煮つめた​ソースを​かけた​もの​なんかと​合わせても​いいかなって。​でも、​すごく​綺麗な​ワインなので、​これだけで​飲んでも​十分楽しいですよね。

津田 たしかに!

野宮 ドライフルーツを​かじりながらとか。​食後に​羊乳の​チーズ、​ケソ・マンチェゴに、​カリンの​砂糖漬け、​メンブリージョを​乗せて​食べたりしながらとか。

津田 ・・・​あれ?​なんだか​果実の​香りが​してきました。

野宮 味も​だんだん​変わってきて、​すごい​甘くなってきましたね。

津田 お花と​いうよりも、​だんだんフルーツに・・・。

野宮 おそらく​温度が​上がってきたからかな。​温度を​低めに​すると​エレガントさが​出てくるんだけど、​温度が​上がるに​つれて​どんどん​香りが​開いてきて​華やかに​なってくるんですよね。

津田 寄り​添ってくれる​感じが​すごいです。​本当に​美味しい!

きっと​見つかる、​お一人​おひとりの​お好みに​合った​リオハワイン。

野宮 3本の​リオハワインを​テイスティングしてみて、​どうでしたか?

津田 私は​3本目の​「パンクルード」が​推しの​ワインに​なりました。​お味自体が​すごいエレガントかつガルナッチャ特有の​果実感が​しっかり​出ていたので、​そこまで​ワインが​得意じゃない方にも​楽しんでいただけると​思います。​何か​特別な​機会に​開けて、​盛大に​飲んでいただくのに​いいのかなと。

野宮 白ワイン​「ブランコ」も​あの​価格帯であの​しっかりと​した​果実味と​いうのは​なかなかないと​思いますし、​2本目の​「オノラブレ」も​フルボディの​凝縮感の​ある​味わいだったので、​コスパが​すごく​いいなと。​3本目の​「パンクルード」は、​ブルゴーニュワインの​価格が​高騰している​昨今、​品種は​異なりますけれど、​エレガントで​果実味溢れる​ワインを​お探しの​方に​ぜひおすすめしたいですね。

津田 3本とも​違った​特徴が​あるので、​お客様が​お求めの​タイプに​沿って​ご案内できると​いいですよね。

野宮 そうですね。​私は​ワイン選びって​プロファイリングだと​思っているんです。​お客様が​普段どんな​ワインを​美味しいと​感じ、​どんな​料理が​お好きで、​どんな​ものに​合わせたいのかなど。​何かしらの​情報が​あれば、​長年の​経験に​基づいて、​できるだけ​お客様の​ご希望に​寄り​添った​ワインを​お選びできるので、​ご来店の​際は​ぜひそういった​ことを​教えていただけると​いいなって。

津田 ワイン選びって、​少し​ハードルが​高く​感じられが​ちだったりもしますよね。

野宮 でも​そういう​皆様の​ために​私ども​売場クルーが​いますので、​ね?​ ワインの​ことが​全く​お分かりに​ならなくても​大丈夫ですよって、​「グルマルシェ ヴァン」の​クルーは​みんな​思っていますよね。

津田 そうですね。​私も​お客様との​会話を​通じて、​今回ご紹介した​スペインワインを​はじめ、​お一人​おひとりに​おすすめの​ワインを​誠心誠意ご案内させていただきたいと​思っています。

野宮 ワインに​ついて​詳しくないと​いう​方も、​「グルマルシェ ヴァン」に​お越しいただき、​ぜひお気軽に​私たち売場クルーに​話しかけていただけたらと​思います!

スペインワインの​光と​影、​リオハの​新時代に​思いを​馳せて。

ソムリエ郁子 野宮さん、​津田さん、​ありがとう​ございました!

ワインは​国民性が​表れると​言われますが、​スペインワインも、​スペインらしい​味だなぁと​思う​郁子です。
一言で​表すと​「伝統と​革新」。​スペインには、​陽気で​明るい​国民性と​いう​イメージが​ありますが、​その​通りで​とても​美味しい​ワインを​造り出します。

ただ、​明る​い光の​中に、​少し​陰りを​含んでいるのが​スペインワイン。
世界の​覇者であった​栄光の​時代と、​その後の​長い​内戦や​軍事政権の​暗い​時代。
その​両方を​経験してきた​スペインで​造られる​ワインには、​ほかの​どの​国の​ワインにも​ない、
「夕日」のような​雰囲気が​そこはかと​なく​感じられ、​郁子は​大変心動かされております。

単に​美味しいだけでなく、​複雑さや​深みを​兼ね備えているのが、​スペインワインの​一つの​特徴と​言えるでしょう。

また、​スペインには、​地域ごとに​育まれてきた​文化が​あり、​皆が​誇りを​持って​それらを​大切に​している​ところなど、​日本との​共通項も​意外と​ありますね。

さらには、​名だたる​造り手が​健在である​中、​若い​造り手も​国際的な​評価を​得はじめていて、​今回取り上げた​リオハの​ワインを​取り巻く​状況は、​今、​とても​面白い​ことになっています。

長い​ワイン造りの​伝統が​ある​銘醸地で​ありつつ、​たくさんの​新たな​可能性に​満ちた国、​スペインから、​今後も​目が​離せそうに​ありません。

ソムリエ郁子イチオシの​スペイン・リオハワイン

飲みごたえも、​余韻も​しっかり。​まろやかな​酸が​魅力の​白ワイン。

<ゴメス・クルサード>
ブランコ​(白/750ml)

3,300円

洋梨や​黄色いリンゴの​コンフィチュールのような​しっかりと​した​果実味に、​ハーブの​ニュアンス。​貝殻のような​ミネラルが​アクセントに​なり、​まるみの​ある​酸が​余韻を​まとめる​飲みごたえの​ある​白ワイン。​ビウラ70%、​テンプラニーリョブランコ25%、​ガルナッチャブランカ5%。​ステンレスタンク内で​16度を​キープしながら、​自生酵母のみで​発酵。

オンラインストアは​こちら

タンニンと​多彩な​香り、​豊かな​果実味を​存分に​堪能できる​1本。

<ゴメス・クルサード>
オノラブレ​(赤/750ml)

7,150円

ブラックチェリー、​黒い​プラムなどの​完熟した​アロマに、​シナモン、​キニーネと​いった​スパイス、​カカオなどが​溶け込んだ​芳醇な​香り。​豊かな​果実味に、​しっかりした​酸と​タンニンが​肉厚な​印象の​フルボディの​赤ワイン。​テンプラニーリョ、​ガルナッチャ、​グラシアーノ​(配分は​非公開)。

オンラインストアは​こちら

ブルゴーニュワインを​好まれる​方にも​おすすめ、​洗練された​ガルナッチャ。

<ゴメス・クルサード>
パンクルード​(赤/750ml)

9,900円

ザクロや​クランベリーの​赤系果実に​ボタンなどの​花、​シナモン、​ナツメグを​はじめと​する​スパイスの​香りが​合わさった​華やかな​アロマ。​みず​みずしい​果実味に​伸びやかな​酸、​やや​収れん性を​残した​タンニンが​長い​余韻を​造る、​ノーブルな​赤ワイン。​ガルナッチャ100%。​ワイン専門誌にて、​50本の​中から​ソムリエが​選ぶガルナッチャの​トップ3に​ランクイン。

オンラインストアは​こちら

バックナンバー

ソムリエ郁子との​ワインの​旅​(フランス編)の​思い出は​こちらから。

第1回 フランス篇

ソムリエ郁子との​ワインの​旅​(イタリア編)の​思い出は​こちらから。

第2回 イタリア篇

ソムリエ郁子との​ワインの​旅​(日本編)の​思い出は​こちらから。

第3回 日本篇

ソムリエ郁子との​ワインの​旅​(チリ)の​思い出は​こちらから。

第4回 チリ篇

ソムリエ郁子との​ワインの​旅​(アメリカ)の​思い出は​こちらから。

第5回 アメリカ篇

ソムリエ郁子との​ワインの​旅​(フランス・ブルゴーニュ)の​思い出は​こちらから。

第6回 フランス・ブルゴーニュ篇

※表示価格は​すべて​税込です。
※写真は​イメージです。

 

※20歳未満の​飲酒は​法律で​禁止されています。
※車・バイクで​ご来店・​お帰りの方、​20歳未満の​方への​アルコール提供は​固く​お断りします。