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ファッションライターLulu.の「行ってきたレポート」vol.1

松屋銀座の催事に突撃して、心動いた美しいものたちを綴っていきます。

「第53回 世界の中古カメラ市」

こんにちは。
今回から始まった「行ってきたレポート」。第20回は、「第53回世界の中古カメラ市」(2025年9月4日(木) ー9日(火)開催)。
昨年ふらりと立ち寄ったこの催事の熱量が印象深く残っていたので、カメラ素人の私ですが楽しみに突進してきました。

8階会場へのアプローチが、もうメカっぽく映る

松屋銀座が誇る、アンティークから新品同様のカメラ・アクセサリーの祭典「世界の中古カメラ市」。

予想通りの完全アウェイ感。カメラへの凄い知識量を持つ方々の熱気に怖気付くが、ここで怯んではならない。何か私に語りかけてくれるのか探しに歩を進める。

熱心にカメラを吟味している方々の後ろからウィンドウを覗く。格好良いフォルムにほぉーと見惚れる。カメラに詳しくない私ですが、「美しい」ことだけはわかる。

「このフォルムがカッコイイ!って、若い方が今この2台吟味されているんですよ」とお店の方。

そうよね、素敵よね。クタクタになったレザーのケースも愛しいよね。

〈三井カメラ〉

手のひらサイズが持ちやすい、ドイツのフィルムカメラ「Rollei 35」。35mmのフィルムを使えるコンパクトカメラとして、1967年にデビューしたローライ35。ドイツ製とシンガポール製があるそうですが、初期のドイツ製には、カール ツァイスのテッサーが搭載され、ドイツらしい機能美に溢れていました。

重いです。妥協なひとつひとつの工程の積み重ねは重くなります。でも、それは美を生み出し、堂々と気高い佇まいを醸し出します。

〈秀光〉

エルメスのバックもそう。バーキンもケリーも重いです。

今年20年ほどかけてクタクタにしたバーキンを修理に出しました。2本の針と錐を持ち、穴を開けると同時に裏から針を通す「サドルステッチ」で縫われているエルメスのバッグは、糸を解くのにかなりの時間を要します。同じ針穴に新しいステッチが施され、半年ほどかけてパリの工房から戻ってきました。

昔の機械式カメラを見ながら思った。情熱が込められた幾つものステップを経てつくられている物は輝きを失わない。

昔はフィルムだったよね。白黒とカラーフィルムをどっさり持ちながら旅したのを思い出す。ローライ35を見て、フィルムを使ってみたい欲がムクムク。
で、様々なフィルムがずらりと並んだ〈かわうそ商店〉さんのブースに釘付け。

最近は独創的なフィルムが多数登場しているそうです。カメラを使いこなす方々はきっとこのフィルムカメラとカメラの相性に自分なりの美しさを見出すんだろうな。
強烈なコントラストと発色を放つカラーネガフィルム HARMAN「PHOENIX 200」。ネーミングがイイ。フェニックス(不死鳥)。 

〈かわうそ商店〉 

クラシックな外観が麗しいスウェーデンの「Hasselblad」。 

月面着陸やアポロ計画などNASAの宇宙計画にその技術を提供してきたというハッセルブラッド。 

2017年、深圳に拠点を置くドローンメーカーDJI がハッセルブラッドの株を過半数を取得したというニュースが流れた。

「Hasselblad」のフォントが美しい。 
〈早田カメラ〉 


宝探しのような山も面白い。

〈矢倉カメラ商会〉 

おっ、オリーブグリーンのライカ「Leica M10-P Safari」(世界限定1500 台)。
マットな滑りが堪らない!触り心地。美しいですなー。 

ウェッツラー(Wetzlar)だ。 
祖父が遺してくれたライカの美しさに触れ、何の知識もないのにウェッツラーにあるライカ本社に向かったのを思い出した。

〈アカサカカメラ〉 

ライカカメラ社の原点は、1849年にウェッツラーで創設された顕微鏡メーカー「Optisches Instiut」。1869年、エルンスト・ライツ(Ernst Leitz)が引き継ぎ会社名を「エルンスト・ライツ」に変更します。

エルンスト ライツ ミュージアム 

Leitz社のカメラ(Leitz Camera)=ライカ(Leica)。

本社はレンズとフィルムのスプール(巻き上げ軸)をイメージした印象的な建物。

あっ、綺麗!ここから目はライカしか映さなくなる。 

「Leica M6 Platinum Set」(左)と「Leica M4-2 Gold」。

プラチナは、写真という技術が生まれて150年、ライカ75周年を記念した限定モデル。LEICA という文字一つに付き250台が生産されたという(5文字なので全世界計1250台)。 

これは「L」の66台目。

プラチナにエキゾチックレザー、赤が効いた麗しき佇まい。
美を生み出すには、素材や技術を熟知し、完成した作品の質感、イメージを想像する俯瞰力が要求される。

作り手の情熱が形になった「もの」は本当に美しい。

ゴールドは、オスカー・バルナック(Oskar Barnack)生誕100周年を記念して発売された限定モデル。

バルナックは、35mm フィルムを使用した小型カメラ「Barnack Liliput Kamera」を発明。この「リリパット(こびとの意)」と呼ばれる小型カメラがライカの原点「ウルライカ(Ur-Leica)」です。

〈ペンギンカメラ〉 

オブジェクトとして美しかったゴールドのライカを出品していたのはスキヤカメラ。

〈スキヤカメラ〉 

こちらのライカは市場を渡り歩く中で、美しいゴールド色に塗り直されたライカ。こうした新品にはないユニークなカメラと出会えるのも、中古カメラの醍醐味かもしれません。

カメラを愛する方々の熱気が充満していた「世界の中古カメラ市」。情熱を傾ける対象への飽くなき探究心。私はこの熱量が、夢中が、感じられる空間が好きだ。

今すぐカメラを持って出かけたくなった。「LIFE」誌のスローガンを思い出す。 

To see the world,
Things dangerous to come to, 
To see behind walls,
To draw closer,
To find each other and to feel.
That is the purpose of life.

世界を見よう
危険でも立ち向かおう
壁の裏側を覗こう
もっと近づこう
もっとお互いを知ろう そして感じよう
それが人生の目的だから

「36 AUS 100」ライカ本社にて 

松屋銀座の催事は面白い。ニッチな層に刺さるテーマは、各社員の「好き」を丁寧にすくい取っているのかな、と感じる。 
また次回!

「第53回 世界の中古カメラ市」主催:I.C.S.輸入カメラ協会 

出店社:喜久屋商事、ペンギンカメラ店、ナショナル・フォート、富士越写真機店、スキヤカメラ、アカサカカメラ、新潟屋(フォトベルゼ極楽堂)、矢倉カメラ商会、三共カメラ、秀光、早田カメラ、ジェイダブリュー協賛店:かわうそ商店、セキ写真、カメラのゴゴ-商会、カメラのハヤシ商事、日東商事、カメラのヤマゲン

タイムサービス!松屋銀座っぽくてイイ。

 ※本年の開催は終了いたしました。 

Lulu.


2010年~2021まで11年間、VOGUE JAPAN でブログを執筆。馬と博物学的世界、ムー的世界を愛し、不思議を視たい!と旅に出て、「好き」と「感動」を掻き集める。高校時代に障害飛越にのめり込み、今はたまーに外乗を楽しむ50代。現在はnoteで発信。