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ファッションライターLulu.の​「美しいは​嬉しい」​vol.4

ファッションって​知的好奇心を​満たし喜びを​もたらしてくれるんです。​内面の​いちばん外側が​ファッション。
(本記事で​ご紹介する​アイテムは、​松屋で​お取り​扱いの​ない​ものも​あります。​)

2024/06/04

初夏の​香り② / ​「フエギア 1833」

こんにちは。
今回は​「フエギア 1833」から​ふたつの​香りを​ご紹介します。​

昨年麻布台ヒルズに​オープンした​国内3店舗目となる​「フエギア 1833 麻布台」で​お話を​伺ってきました。

2010年、​ブエノスアイレスで​ジュリアン・ベデルに​より​創業された​「フエギア 1833」。
各店舗は​それぞれの​地域ごとに​異なる​コンセプトを​もち、​その​土地の​伝統様式を​取り入れた​デザインが​施されます。​ツリーハウスが​テーマと​なった​麻布台では、​日本の​杉材を​使用した​内壁、​窓に​描かれた​フィッツロイの​麓を​眺め、​丹念に​調整された​ジェネレックスピーカーから​流れる​音楽に​耳を​傾けます。​店内に​併設された​インフュージョンバーは、​厳選ワインに​酔いしれながら、​至福の​ひと​ときを​過ごせる​空間です。

ジュリアンは​調香師であると​同時に、​アーティスト、​弦楽器製作者、​更には​研究者でもあります。

自分が​心動かされた​ものを​表現していく​人=アーティスト、と​私は​解釈していて。​探究心と​好奇心に​従い、​自らが​体験し感じた​ことだけが​持つ説得力。​圧倒的熱量は​人の​心を​動かします。

19世紀、​英国の​司令官ロバート・フィッツロイに​よって​誘拐された​ティエラ・デル・フエゴの​先住民の​少女フエギア・バスケットは、1833年に​故郷に​戻るも​家族に​勘当されてしまいます。​ブランド名に​インスピレーションを​与えたのが、​この​帝国主義の​影の​部分を​象徴する​物語。

闇が​なければ​光は​存在できない、​逆も​然り。​もの​ごとの​在り方が​ブランド名に​落とし込まれています。

2004年に​芳香分子が​人類の​脳や​精神に​大きく​作用すると​いう​研究で、​生理学者リンダ・バック​博士が​ノーベル生理学・医学賞を​受賞しました。
この​研究結果が、​ジュリアンの​香りに​対する​探究心を​より​深める​きっかけと​なります。

フエギア 1833 の​植物研究の​大半は​ジュリアンの​調査旅行から​始まります。
アルゼンチンの​パタゴニア地方から​世界へ。​ジュリアンの​選んだ​植物の​大半は​これまで​香水に​使われていない​もの。

“薬草の​魅力とは、​固有の​香りを​持つものが​多い​こと、​また​香りを​持つ植物は​通常有益あるいは​活発な​特性を​持っている​ことです。​これらの​特性は​揮発性の​ものが​多く、​必ずしも​香りではなく、​インパクトを​与える​ことができるのです。​”ージュリアン・べデル

錬金術師と​いう​言葉が​浮かんだ。​錬金術って​意識を​拡大する​こと。​想像なくして​創造は​できない。​もの​ごとは​見えない​世界​(意識)から​始まり​物質化していく。​そんな​風に​私は​感じています。

“​私たちが​誇りと​しているのは、​最初から​最後まで​自分たちの​手で​香水を​作っていると​いう​こと。​当社で​作る​すべての​香水は、​植物の​調査から​製造まで​-原料を​抽出し、​混ぜ、​調合し、​ボトルに​入れるまでの​全工程を​当社で​行なっています。​”ーフエギア 1833

創業者の​ビジョンが​最終段階まで​貫かれています。

さて、​梅雨の​時期に​こそ​纏いたい​香りが〈Pampa Húmeda​(パンパ ウメダ)​〉。

果てしない緑、​湿度を​たっぷり​含んだ​草原の​香り。​仄かな​セージが​懐かしさを​湛えた​山の​朝を​運んできてくれます。​香りは​湿度に​よって​感じ方が​違います。​香りで​湿度を​楽しめるのは​梅雨の​時期ならでは。

そして​梅雨から​カラリとした​夏に​突入したならば〈Pampa Seca​(パンパ セカ)​〉。

こちらは​乾いています、​からっからの​晴れ。​重厚感の​ある​緑を​感じさせるのは​セリ科の​ガルバナム。​湿度ある​パンパから​乾燥した​パンパへの​繋がりは​美しい。

製造時に​入手できる​最高峰の​天然素材を​使い、​毎回​400本前後の​生産と​なる​フエギアの​香水。​約120種類の​香りの​中で、​知識と​香りに​対しての​熱量の​高い​スタッフが​新しい​世界を​引き出してくれます。

ジュリアンは​香りと​いう​見えないけれど確実に​存在する​ものを​通し、​私たちの​心を​動かしてくれます。
いつも​手に​ある​四角い​ものに​自分を​占領させてしまった​私たちは​「考えない​こと」に​慣れてしまった​気が​します。​「探れ、​感じろ、​感覚を​取り戻せ。」​そんな​言葉が​頭の​中に​響きました。

香りは​記憶。​香りに​よって​誰かを​思い出したり、​何かが​蘇ったり、​どこかに​行きたくなったり。​香りは​時空を​超えてくれる。
そんな​一瞬を​体感しに​ぜひフエギア 1833へ。

フエギア 1833 麻布台
所在地:東京都港区虎ノ門5-9-1 ガーデンプラザ地下2階
営業​時間:午前11時―午後8時
TEL:03​(6809)​1771

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Lulu.


2010年~2021まで​11年間、​VOGUE JAPAN で​ブログを​執筆。​馬と​博物学的世界、​ムー的世界を​愛し、​不思議を​視たい!と​旅に​出て、​「好き」と​「感動」を​掻き集める。​高校時代に​障害飛越にの​めり込み、​今は​たまーに​外乗を​楽しむ50代。​現在は​noteで​発信。