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森さんちに、​おじゃましました​ “北欧” 経由、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアvol.31

はじめまして。​北欧の​旅や​暮らしの​情報を​発信している​森百合子と​申します。​北欧の​国々を​旅するようになって​15年ほどが​経ち、​わが​家には​布や​食器など​北欧モノが​増え、​旅先では​部屋づくりや​暮らしに​役立つヒントにも​たくさん​出会いました。​これから​月に​1回ほどの​ペースで、​わが​家で​取り入れている​北欧経由の​暮らしの​アイデアを​ご紹介していきたいと​思います。​どうぞよろしく​お願い​いたします。

庭と​向き​あう

いまの​家で​暮らして​今年で​20年に​なります。​最初に​移り​住んだ​2003年の​秋、​家の​状態と​いえば​床も​壁も​抜かれ、​「本当に​ここで​暮らせるのか?」と​いう​状態でしたが、​そこから​4回の​リノベーションを​繰り返して、​いまは​とても​住みやすくなりました。​ 4回目の​リノベーションが​終わって、​気に​なりだしたのが​庭です。​かつての​住人が​細工と​して​埋めて​いた​大きな​枕木は​腐食が​進んであちこちの​凹みが​ひどく、​なんとか​せねばと​思いつつ後まわしに​なっていた庭。​コロナ禍も​あって​家に​いる​時間が​多いならと、​移り​住んで​17年目の​春に、​えい​やっと​手を​つける​ことに​したのでした。

住まいや​ガーデニングの​本を​見て​「こういう​庭に​したい」と​憧れていたのは、​芝生に​飛び石。​ガーデニングの​知識も​経験も​ないけれど、​いまやらねば​もう​この​先やらないかも……との​思いも​あって、​造園も​できる​庭師さんに​相談しながら​庭づくりを​スタートしました。​枕木の​撤去や​土の​ならし、​芝生張りなど​大仕事は​すべておまかせだったので、​私の​した​ことと​いえば​飛び石の​形と​配置決めくらいでしたが。

庭師さんが​「この​庭に​似合い​そう」と​ラベンダーやルピナスなど​好みの​花を​見繕って​植えてくれた​花壇も​素敵で、​なんと​いっても​玄関を​開けて​ぱっと​目に​入る​芝生の​グリーンが、​気持ちいい。​すごく、​いい。​と​思っていたのも​つかの​間……​庭の​維​持って難しいー!

よい​季節に​なったな​あ、​なんて​呑気に​構えていると​あっと​いう​間に​ボウボウに​生い​茂っていく​植物たち。​当たり前の​ことですけれど、​自然は​待ってくれない。​実が​なった!と​喜んでいたら旬を​逃してしまった​ベリー。​きれいに​咲いた​花を​家に​飾ろうかしらと​思っていたら​強風であっと​いう​間に​散ってしまい、​なぎ倒された​植物を​見て、​こういう​時は​添え木を​してあげれば​よかったのねと​後悔したり。​いまちょっと​忙しいし……と​人間の​都合で​時期を​逃したら​あっと​いう​間に​茂るし、​枯れるし、​倒れる。

私には​庭は​まだ​早かったのでは、と​植物に​申し訳ない​気に​なることもありますが、​それでも​冬に​植えた​球根や​種が​数ヶ月の​うんとも​すんとも​時期を​経て​芽を​出した​時の​嬉しさったら、​ありません。​前シーズンに​植える​時期を​逃して​再挑戦した​大好きな​ムスカリが、​この​春先に​次々と​咲いていくのを​見た​時、​やっぱり庭は​……​いい!としみじみ​思いました。​その後、​垣根に​沿うように​背の​高い​植物を​植え、​手前には​背の​低い​植物を​植えたは​ずが、​手前の​植物が​やたら​ニョキニョキと​育ってきたのには​唖然としましたが、​まあ、​まだ​ガーデニング​2年生だから​仕方​ない、とだんだん​こちらも​図太くなってきました。

北欧の​デンマークや​スウェーデンでは​貸しガーデンの​仕組みが​普及しています。​都市部の​アパートや​集合住宅など庭の​ない​家に​住む人が、​国や​自治体​(たまに​私有地も​あります)から​一区​角ずつ安価に​土地を​借りて、​週末や​余暇に​庭いじりを​楽しむのです。​北欧の​都市部には​自然豊かな​公園も​たくさん​ありますが、​自分で​手を​かけて​付き合う​庭の​存在は​また​違う​もの。​人々の​暮らしに​かかせない​場所と​して​貸しガーデンの​土地は​私有地であっても​勝手に​売買してはいけない​法律も​ある​そうで、​こういう​区域を​国が​しっかりと​守っているのは​いいな​あと​思います。

敷地内には​たいてい小屋が​あり、​中で​休憩する​ことも​できますし、​庭に​テーブルを​出して​コーヒーを​楽しむ姿も。​庭ごとに​植栽も​小屋の​風情も​異なり、​きっちり​整えられている​庭も​あれば、​「庭って​いうか……​森かな?」と​思うような​ワイルドな​庭も​あります。​いま改めて​訪れたら​「これで​いいんだ!」を​連発しながら、​それぞれの​庭の​あり方を​より​一層​楽しめるに​違い​ありません。

庭仕事を​していると、​気に​なって​出てくる​猫の​ホタテ。​庭の​飛び石も​気に入っているのか、​よく​上に​座っています。

バックナンバー

森さんが​教えてくださった、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアは​他にも​たくさん!

vol.30​「朝ごはんの​プレート」

詳しくは​こちら

vol.29​「組み合わせると、​もっと​いい色」

詳しくは​こちら

vol.28​「桜と​北欧」

詳しくは​こちら

vol.27​「ちょうど​いいを​探す」

詳しくは​こちら

vol.26​「素敵な​ベンチ要員」

詳しくは​こちら

森 百合子 mori yuriko


北欧5ヶ国で​取材を​重ね、​旅や​暮らし、​デザインの​情報を​中心に​発信。​著書に​『3日で​まわる​北欧』​(トゥーヴァージンズ)、​『北欧​おみや​げ手帖』​(主婦の​友社)、​『いろはに​北欧 わたしに​“ちょうど​いい”旅の​作り方』​(ダイヤモンド・ビッグ社)​ほか。​執筆活動に​加えて、​NHK Eテレ『趣味どきっ!』、​NHK 総合『世界は​ほしい​モノに​あふれてる』など​メディア出演や​講演を​通じて​北欧の​魅力を​伝えている。