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森さんちに、​おじゃましました​ “北欧” 経由、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアvol.46

はじめまして。​北欧の​旅や​暮らしの​情報を​発信している​森百合子と​申します。​北欧の​国々を​旅するようになって​15年ほどが​経ち、​わが​家には​布や​食器など​北欧モノが​増え、​旅先では​部屋づくりや​暮らしに​役立つヒントにも​たくさん​出会いました。​これから​月に​1回ほどの​ペースで、​わが​家で​取り入れている​北欧経由の​暮らしの​アイデアを​ご紹介していきたいと​思います。​どうぞよろしく​お願い​いたします。

読書の​秋、の​前に​やった​こと

気に​なる本は​つい​買ってしまいます。​しかし、​読むペースが​追いつかない。​積読本が​増え、​本棚にも​収まらなくなって、は​や数カ月……。​先日、​一念​発起して本と​本棚の​整理を​しました。
ふと​思いついて、​リビングに​ある​CDラックを​本棚に​する​ことに​したのです。​この​家に​住んでから​20年ほど、​ずっと​そのままに​していた​CDラック。​でもいまCDで​音楽を​聴く​ことは​ほとんど​ありません​(レコードは​聴くのですが)。
さすがに​まだ​処分する​気持ちには​至りませんが、​一旦箱に​つめて、​その​代わりに​本を​並べる​ことに。​CD用の​サイズなので​奥行きが​限られていますが、​思っていたより​収納力が​ありました。

空っぽに​なった​CDタワーを​前に​して、​「ここに​本を​入れ放題!」と​ワクワクしたのですが、​いざ入れると​なると、​どう​並べるのが​いいのか​迷います。
リビングの​目につく​場所に​あるのだし、​見た​目優先で、​背表紙の​色で​まとめるのは​どうか。​いや​いや​しかし、​内容で​まとめて​おいた​方が​あとで​探しやすいでしょう……。
一方、​いざジャンル別に​分けようと​しても​「はて、​この​本は​どこへ……?」と​悩ましい本も​ある。​CDと​違って本は​サイズも​まちまち。​書店員さんや​図書館スタッフのみなさんの​日頃の​苦労が​すこーしわかった​気分です。​そして​改めて、​背表紙の​個性にも​気づきました。​装丁と​いうと​表紙ばかり気に​していましたが、​こうして​並べてみると​背表紙って​大事!
ああでもない、​こうでも​ないと本を​入れ替えしている​うちに、​表紙を​見せて​陳列するのも​いいなと、​棚板を​置く​ビスに​引っ掛けてみたり。

この​表紙の​イラストは、​デンマークの​人気イラストレーター、​イブ・アントーニに​よる​もの。​60年代に​コペンハーゲン観光局の​イラストを​手掛けて​人気を​博し、​昨今また​彼の​作品が​ポスターや​ポストカードに​復刻されて、​デパー​トや​空港でも​見かけるようになりました。
ちなみに​この本に​描かれているのは、​子どもの​頃に​大好きだった​ピアニスト、​ビクター・ボージ​(後に​デンマーク出身と​知る)。​戦時中に​アメリカへ​亡命しブロードウェイで​活躍した​人物で、​超絶技巧を​持ちながらも、​演奏中に​コントを​したり笑いを​はさむ​エンターテイナー。
この本でも​彼が​好きな​作曲家の​エピソードを、笑いを​交えて​紹介しています。

これも​デンマークの​絵本。​友人の​家で​見て、​あまりの​細長さに​笑ってしまいましたが​(たしかに​ひょろっと​足の​長い​子どもを、​北欧では​見かけますけれども!)​その​後に​訪れた​蚤の​市で​同じ本を​偶然、​見つけたのでした。​デンマークでは、​長く​愛される​ロングセラー絵本の​ようです。

北欧の​旅で​見つけては​集めて​いた、​各国の​歌集や​子どもが​読み​書きを​学ぶ物語の​本は、​部屋の​隅に​ある​ライティングビューローに​まとめました。​挿絵が​豊富で、読むと​いう​よりは​イラストを眺めるのが​楽しいのです。

読書の​秋が​訪れる​前に​本棚が​すっきりした​おかげか、​この​秋は​たくさん本を​読みました。​さらには​仕事で​読む必要も​出てきて、​読書に​没頭する​日々を​持てたのですが、​頭の​なかを​占めて​いた​心配事を​忘れきって​読むことに​夢中に​なる​楽しさを、​ひさしぶりに​思い出しました。
ページを​繰る​手が​止まらず、​読み終えた後は​旅を​していたような、​夢を​見ていたような、​映画を​見ていたような​感覚に​包まれる。​いまここではない​どこかに、​浸っていられる​時間の​尊さよ。​仕事が​忙しくなると、​人は​本を​読まなくなる……と​いった本や​考察が​昨今は​盛んですが、​やっぱり​無理矢理に​でも本は​読み始めた​方が​いい!と​思い​改めた​次第です。
もちろん、​それでも​気に​なる​ことを​放っておけず、​読んでも​内容が​頭に​入って​こないよう……と​いう​こともあるのですが。​でも、とりあえずページを​開いてみよう、と​読書の​楽しさを​思い出せて​よかった。

この​棚には​子どもの​頃から​大好きな​絵本や、​思い出の​ある​絵本を​置いています。
本は、​気持ちの​支えに​なってくれる​人生の​伴侶だな​あと、​改めて​思います。​めげない、​たくましい​主人公、​文体が​心地よくて、​愉快な​気持ちに​なる​エッセイ、​眺めているだけで​楽しくなる​挿絵、​理不尽な​社会に​知恵や​ユーモアで​対抗する​物語。​読み終えてしばらく​立ち直れなくなる​ほど​重い​作品も​ありますし、​正義は​どこへ​行ってしまったの!と​泣きたくなるような​物語も​あります​(とくに​北欧ミステリとか……)。
それでも​葛藤して​悩んで、​後ろ​向きに​なったり、​あきらめたり、く​よく​よしたりも​する、​そんな​登場人物たちの​ストーリーを​読んで​「ひとりじゃない」って​思うのも、​大事な​時間なんですよね。

バックナンバー

森さんが​教えてくださった、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアは​他にも​たくさん!

vol.44​「夏の​楽しみを、​北欧に​学ぶ」

詳しくは​こちら

vol.43​「抵抗する​テキスタイル」

詳しくは​こちら

vol.42​「冬の​終わりの​家時間」

詳しくは​こちら

vol.41​「猫の​いる​場所」

詳しくは​こちら

vol.40​「風通しの​いい​キッチン」

詳しくは​こちら

森 百合子 mori yuriko


北欧5ヶ国で​取材を​重ね、​旅や​暮らし、​デザインの​情報を​中心に​発信。​著書に​『3日で​まわる​北欧』​(トゥーヴァージンズ)、​『北欧​おみや​げ手帖』​(主婦の​友社)、​『いろはに​北欧 わたしに​“ちょうど​いい”旅の​作り方』​(ダイヤモンド・ビッグ社)​ほか。​執筆活動に​加えて、​NHK Eテレ『趣味どきっ!』、​NHK 総合『世界は​ほしい​モノに​あふれてる』など​メディア出演や​講演を​通じて​北欧の​魅力を​伝えている。