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-松屋銀座開店100年- 銀座三丁目 百年物語 
第6話

おかげさまで​2025年、​松屋銀座は​開店100周年を​迎えます。​ 本連載では、​銀座三丁目で​繰り​広げられた、​松屋ならではの​あれこれを​振り返りつつ、​「松屋らしさ」を​紐解いて​まいります。

屋上の​龍光不動尊​(りゅう​こう​ふどう​そん)

銀座店屋上の​『龍光不動尊』は​その名の​通り​「不動明王​(お不動様)」を​お祀​(まつ)りしています。​毎年​秋に​行われる​「銀座八丁神社めぐり」と​いう​イベントにも​組み込まれている​ため、​よく​間違われるのですが、​神社では​ありません。​「不動明王」は​大宇宙の​中で​最高位の​仏様と​いわれる​「大日如来」の​化身と​言われ、​仏教の​信仰対象です。​なので、​お寺に​祀(まつ)られています。​『龍光不動尊』も​高野山龍光院が​そのルーツであり、​1925​(大正14)年に​松屋の​銀座店が​開店したのち、​1929​(昭和4)年に​お店の​守り神と​して​屋上に​安置されました。​不動尊を​奉安する​宝殿は、​当時の​宮内省内匠寮勤務の​青池安太郎に​よる​もの。​青池は​平安神宮や​神田明神なども​設計した​寺社建築の​権威です

龍光不動尊の​品格ある​佇まい

「不動」と​いうのは、​「人々を​救おうと​する​決心が​揺るが​ない」と​いう​意味です。​だから​悪を​罰する​ために、​怒りの​形相を​しているのです。​一般的に​「お不動様」には​厄払い、​出世、​商売繁盛、​勝負事への​ご利益が​あると​言われています。​『龍光不動尊』の​場合、​それらに​加えて​「龍光」が​「流行」に​通じると​いう​ことで、​ファッション業界に​ご利益の​ある​神社とも​言われています。
入口両脇の​狛犬は​1969​(昭和44)年の​松屋創業100周年に​あたって​寄贈された​もので、​向かって​左が​在職幹部​有志、​右が​松蔭会​(旧社員の​集い)​有志からと​記されています。

手水鉢の​水は​「龍」の​口から

境内の​案内板には​「ここに​奉安されております龍光不動明王ご尊像は​鎌倉時代の​名匠の​作で、​高野山龍光院に​於いて、​霊験現れましてから​七百幾星霜を​経ており、​昭和4年5月松屋に​念持仏と​してお迎えし、​屋上の​宝殿に​安置申し上げ、​龍光不動尊と​して​あが​め奉り松屋の​鎮護と​されております。

不動堂の​扉と​額

毎年​正月、​5月ならびに​9月の​28日には​例祭を​とり​おこなっております。​参拝される​方には、​禍を​転じて​福となし、​願望もかなえられ、​家内安全、​商売繁盛と​言われております。」と​記されています。​記録に​よると、​昭和4年4月30日に​入仏式を​行い、​松屋の​守護神と​して​屋上に​安置されたと​いう​ことです。​2011​(平成23)年の​東日本大震災時には、​境内の​灯篭が​倒れましたが、​すぐに​復旧されました。​また​2020​(令和2)​年には​経年変化で​退色が​進んだ​御本尊像と​二童子像を​修復し、​改めて​入仏の​儀式を​行い、​美しい​色彩が​甦りました。

修復を​終えた​御本尊像と​二童子像 (2020年)

ちなみに​銀座三越の​屋上には​『銀座出世地蔵尊』と​『三囲​(みめぐり)​神社』​(三井家の​守護神)が、​GINZA SIX​(元・銀座松坂屋)の​屋上には​『靏護​(かく​ご)​稲荷神社』​(火除けの​神様)が​鎮座しています。​やはり​お客様を​おもてなしする​商売と​神仏とは​ご縁が​深いようですね。

書き手:田代 健
松屋グループの​東京ファッション専門学校校長。​松屋を​中心に、​当グループ一筋40余年の​キャリアを​持ち、​これまでに​「松屋150年史」の​副編集長などを​務める。