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ファッションライターLulu.の「美しいは嬉しい」vol.24

ファッションって知的好奇心を満たし喜びをもたらしてくれるんです。内面のいちばん外側がファッション。

(本記事でご紹介するアイテムは、松屋でお取り扱いのないものもあります。)

2026/01/06

未知との遭遇。トム ブラウン 2026年春 夏コレクション(Thom Browne Spring 2026)

こんにちは。
今回はパリにある18世紀の邸宅 Hotel Pozzo di Borgo で開催された、トム ブラウン 2026年春夏コレクションをご紹介いたします。

異星人とファッションの出会い

ショー開催前に公開されたセーヌ上空を飛ぶUFOの画像に心躍り、どんなコレクションなのかと心待ちにしていました。 そして、ショーの冒頭で会場に響いた言葉が、"Hello, Earthlings. We have come to take over your boring wardrobe."
「異星人が地球のワードローブを乗っ取る」という人間と異なる視点を軸にコレクションが展開されていきます。

新しいプロポーション

ブランドの核である「テーラリング」と「ユニフォーム」はそのままに、ラインや縫い目がわずかにずれ、伝統的なテーラリングは解体、再構築され、新しいプロポーションが誕生しました。

腕と脚の数が増殖。

シアサッカーのクロップド ジャケットは、ツイード、シルク/コットン モガドールがミックスされ、14本の袖があります。卓越した技術が肩のラインに見て取れます。

人間の骨格をずらしたり、歪めたりしたようなフォルム。
ダイナミックな曲線を描くジャケットにスカート。

毎シーズン登場するクリケットセーターは、縮んだようなクロップド丈に。

光と銀色の煌めき

シアサッカーのレップ ストライプにスパンコール、ビーズ、クリスタル、 パールを重ねた刺繍。宇宙からの煌めきが届いた。

ブルーコットンクレープのオーバーコートには、赤、白、青のスパンコール95,000個が手刺繍されています。

未知の金属に浸されたかのようなツイードコート。

反重力を思わせる軽さ

トムの描くグレーの世界に登場するパステル、ファンタジーツイードの色使いにはいつもハッとさせられます。
今シーズンはそのツイードがふわりと舞い上がるシルクシフォンを伴い、 重力を忘れさせる軽さに。

プリーツにもシルクシフォン。

「ルーヴル クチュール」で見たトムのファンタジーツイードを思い出しました。

〈Louvre Couture〉Thom Browne Spring 2020

コレクションから感じ取ったこと

今回のコレクションから私は視点の置き方を感じ取りました。それは俯瞰する視点。既存の枠の中で窮屈になった時、悩んだ時、行き詰まった時、渦中にいる自分を俯瞰し、笑い飛ばして軽くなるあの感覚。

ウエストを下にずらし、バランスを狂わせたルック。人が着る「服」の概念を知らない異星人の視点で変換された服。

規律あるユニフォームに切り込んできた異星人の視点。

トム ブラウンのコレクションはいつも彼の「歓喜」に満ちている。彼独自の喜びを純粋に服に落とし込んでいる。私はここに惹かれている。

シアーチュールが第二の皮膚のよう。

コレクションに散りばめられた要素は、日常に取り入れやすいアイテムにまできちんと落とし込まれています。
カフスが長いシャツは、コートの袖から出したり、折り返してその面積を楽しんでも。

私も10年以上前のトムのシャツを愛用中。タグがボロボロになっても着ちゃうもんね、セルフヴィンテージだわね。

毎シーズン、機知に飛んだ世界を魅せてくれるトム ブラウン。
今シーズンは、新しい価値観を受け入れる柔軟さを教えてもらった気がします。

We come in peace...(私たちは平和的にやって来ました...)

Thom Browne Spring 2026

コラム内に掲載している商品は、常設では取り扱いのない商品となります。

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Lulu.


2010年~2021まで11年間、VOGUE JAPAN でブログを執筆。馬と博物学的世界、ムー的世界を愛し、不思議を視たい!と旅に出て、「好き」と「感動」を掻き集める。高校時代に障害飛越にのめり込み、今はたまーに外乗を楽しむ50代。現在はnoteで発信。