メインコンテンツへ

その​他|その​他

森さんちに、​おじゃましました​ “北欧” 経由、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアvol.49

はじめまして。​北欧の​旅や​暮らしの​情報を​発信している​森百合子と​申します。​北欧の​国々を​旅するようになって​15年ほどが​経ち、​わが​家には​布や​食器など​北欧モノが​増え、​旅先では​部屋づくりや​暮らしに​役立つヒントにも​たくさん​出会いました。​これからわが​家で​取り入れている​北欧経由の​暮らしの​アイデアを​ご紹介していきたいと​思います。​どうぞよろしく​お願い​いたします。

お花畑は​すごい

春が​来て、​すでに​夏のような​日差しも​感じる​日々。​わたしは​ガーデニング4年生に​なりました。​はい、​自己申告で​進級しています。

初めて​ガーデニングに​挑戦したのは​3年前の​こと。​最初の​年は​庭師さんに、​花を​選ぶのも​植えるのも​すべて​やって​もらい​(わたしは​つまり、​水を​やっただけ)、​翌シーズンは​冬の​うちに​種を​蒔いて​春に​咲くのを​楽しみに​待った​ものの​芽が​出たり出なかったりで、​昨年は​改めて​庭師さんと​苗を​選ぶ​ところから​一緒に​花壇づくりを​しました。

vol.31 庭と​向き合う​> 

vol.44 夏の​楽しみを、​北欧に​学ぶ >

そして​今年は​春先から、​自力で​花壇づくりに​再挑戦。​もう​4年生、​中学年ですから​ね……!​ まずは​植物の​苗を​買いに​いく​ところから​自分で​やってみました。​それぞれの​苗の​説明を​ちゃんと​読んで、​大きく​育ちそうな​ものは​後ろに、​日当たりも​考慮しながら​配置を​決めます。

植える​前には​雑草を​取り、​土を​ならしました。​昨年、​庭師さんが​ならしてくれた​土は​美しかったな​あ~、​あれは​やはり​プロの​技だったのだな​あ~と​痛感しながら、​ひとつ​ひとつ苗を​自分で​植えていきました。​だいぶ適当な​ところも​ありますが、​なにはともあれひとりで​やってえらい!​ と​自画自賛。

日​当たりの​せいか​元気の​ない​苗も​あるし、​順調に​育ってきて​食べるのが​楽しみだった​ディルの​苗が​あっと​いう​間に​虫に​食い​尽く​されてしまった​とか、​すでに​トラブルにも​直面していますが、​それでも​日々、​庭を​観察し、​土いじりを​しています。​雑草取りも​うんざりしますが、​やれば​やっただけ確実に​きれいに​なって、​成果が​目に​見えるのは​嬉しい。​家を​出る​とき、​目の前に​花が​咲いているのは、​とても​気分が​いい。

土いじりを​しながらふと​思った​ことがあります。​脳天気な​考え方を​指して​「そんなの​お花畑だ」と​いう​言い​まわしが​ありますよね。​危機感が​ない、​現実的でない、​そんな​甘い​考えでは​ダメだと​いう​文脈で​「あいつは、​頭の​なかが​お花畑だ」と​揶揄する​アレです。​最初に​耳に​した​ときは、​おもしろい​言いまわしだなと​つい​思ってしまった​ものですが、​いまこうして​ガーデニングに​向き合っている​身と​してはですね、​こう​言いたい。​お花畑を​舐めるなー!!​ 

あの​言いまわしは​いったい、​いつ頃から​出てきたんだろうな​あ……と、​ふと​気に​なって​調べていたら​おもしろい​ことを​発見しました。​「お花畑」とは、​もともと​山岳地帯に​見られる​高山植物の​群生を​指す​言葉なのだそうです。​雪どけの​後、​厳しい​自然の​なかでも​たくましく​咲いた​花の​群れを​見て、​山を​登ってきた​人々が​尊敬の​念を​もって​「お」を​つけて​呼ぶようになったのだとか。​平地でも​見られる​花畑とは​区別した​言葉と​して​存在し、​俳句では​夏の​季語と​して​使われる​そうです​(​「お」が​つかない​「花畑」は、​秋の​季語との​こと)。​思いが​けず勉強に​なりました。

5月~夏に​かけて​北欧を​旅すると、​自然の​生命力を​目の​当たりにします。​家の​庭や、​住宅街の​道、​公園の​花壇には​色とりどりの​花が​これでもかと​咲き乱れています。​なにしろ冬に​なると、​目の前に​広がる​景色は​色の​ない​世界。​緑の​枯れ果てた、​どこまでも​グレーな​風景とは​一転して、​草木が​青々と​生い​茂り、​花の​色が​あふれる​世界に​なる。​え、​これは​同じ​場所ですか!?​ と​目を​疑いたくなる​くらいに、​見える​景色が​違います。

友人宅の​庭や、​公園の​植え込みを​見ると、​丁寧に​剪定されていると​いう​よりは、​自然の​エネルギーを​自由に​発散させているかのような、​だいぶワイルドな​植栽も​少なく​ありません。​きっと​冬が​厳しいだけに、​植物の​力強く​生きる​姿を​そのまま​愛で​たくなるのかもしれません。​玄関扉の​脇に​花を​植えている​家も​よく​見かけるのですが、​勢いが​すごくて、​そのうち玄関から​出られなくなってしまうのでは……?​ と​思わず笑ってしまう​家も。

北欧で​花畑と​いうと、​スウェーデンで​見た菜の​花畑を​思い出します。​5月の​終わり、​黄色い​絨毯のように​広がる​菜の​花畑の​美しさと​いったら。​黄色い​花が​咲きほこる​道沿いの​すぐ​近くを​ドライブした​ときには、​風に​揺れどこまでも​続く​黄色い​花々から​目を​離せず、​とてつもなく​気分が​舞い​あがりました。​あれは​まさに、​花畑の​パワーを​感じた​ひと​ときでした。

さて​今回、​わが​家の​庭に​植えたなかでもとくに​気に入っているのが、​こちら。​花びらの​形が​おもしろいんです。​オステオスペルマム​(アフリカンデイジー)の​新しい​品種で、​スプーン咲きと​呼ばれる​もの。

通りがかった​ご近所さんが​すかさず​見つけて​「これ、​いいね~!」と​一緒に​盛りあがってくれました。​あまり​話を​した​ことの​なかった方にも​「きれいですね~」と​声を​かけられます。​花に​よる​ご近所​づき合いの​活性化も、​日々​感じている​次第です​(庭に​出て​作業を​していると、​話しかけられる​ことも​多いんですよね)。

ゴールデンウィークに​訪れた​陶芸市で、​ちょうど​素敵な​一輪挿しを​購入したので、​さっそく​家の​なかにも​飾ってみました。

今年も​これから​北欧を​旅する​予定なので、​いろんな​場所で​咲き乱れる​花を、​花畑を、​たくさん​撮ってこようと​思います。​わが​家の​庭も、​生命力の​あふれる​花畑に​したいです。

バックナンバー

森さんが​教えてくださった、​暮らしを​楽しむ​「これで​いいんだ!」の​アイデアは​他にも​たくさん!

森 百合子 mori yuriko


北欧5ヶ国で​取材を​重ね、​旅や​暮らし、​デザインの​情報を​中心に​発信。​著書に​『3日で​まわる​北欧』​(トゥーヴァージンズ)、​『北欧​おみや​げ手帖』​(主婦の​友社)、​『いろはに​北欧 わたしに​“ちょうど​いい”旅の​作り方』​(ダイヤモンド・ビッグ社)​ほか。​執筆活動に​加えて、​NHK Eテレ『趣味どきっ!』、​NHK 総合『世界は​ほしい​モノに​あふれてる』など​メディア出演や​講演を​通じて​北欧の​魅力を​伝えている。