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ファッションライターLulu.の「美しいは嬉しい」vol.27

ファッションって知的好奇心を満たし喜びをもたらしてくれるんです。内面のいちばん外側がファッション。

(本記事でご紹介するアイテムは、松屋でお取り扱いのないものもあります。)

2026/04/07

草花を愛したムッシュ ディオールに敬意を表した楽園。 新コンセプトストア 「ディオール バンブー パビリオン」

こんにちは
2月12日に代官山にオープンした「ディオール バンブー パビリオン」。今回は、一足先に参加させていただいた内覧会で感じたことを綴ります。

ディオールが脈々と継承してきた美意識と、日本の意匠が交差する総面積約1800平米に及ぶ空間には、カフェが併設され、ジョナサン・アンダーソンが手がけるプレタポルテ、レザーグッズ、アクセサリーが展開されています。
ブティックという概念を超越し、メゾンの歴史への旅を体感することができる新たなコンセプトストアの誕生です。

外観 

パリ本店「30モンテーニュ」のファサードが、ゴールドに染め上げたバンブーで再解釈されています。

日本の竹林が着想源。

モンテーニュ通り30番地は、クリスチャン・ディオールが運命を感じ、1946年12月15日にメゾンを開いた場所。

2019年から2年以上かけて、建築家ピーター・マリノにより改装されたパリ本店「30モンテーニュ」。

トップには、1947年からディオールの運命を導いてきた星が輝いています。

人力車に咲き誇っていた、東信さん手がけた花たちの美しかったこと!
それぞれの花たちが「ようこそ!」と誇らしげに話しかけてくれました。

「ディオール」とかかれた提灯が愛らしい。

ラテン語の花の学名を覚え、植物の標本を作って少年時代を過ごしたというクリスチャン・ディオール。なので、ディオールのコレクションもブティックもいつも草花たちで彩られています。

さ、店内へ。

2026年春夏 コレクションが出迎えてくれました。

カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック バンブー パビリオン 

壁面のレリーフ、東信さんが手がけたパルダリウムとブロックフラワー。
カフェでは植物の美しさが折り重なり、麗しき「ディオールの楽園」を形成していました。

スイッチで草花たちにミストを噴霧できます。

Paludarium by Azuma Makoto

植物標本のようなブロックフラワー、壁面のレリーフ、イスの張り地、そして天井から垂れ下がる紙製の花(切り絵アーティスト柴田あゆみさんが制作)。
異なる表現での「草花たち」が集まり、ノルマンディーにある庭園を愛したムッシュ ディオールの情熱に共鳴していました。

グラスと花の色も美しく共鳴。ディオールの提唱する「アール ドゥ ヴィーヴル(暮らしの美学)」を披露していました。

実際のバッグをかたどってつくられた東信さん作「Lady Dior block flower」。

そして、カフェ ディオールに欠かせない存在、アンヌ=ソフィー・ピックさん。フランス南東部ヴァランスにあるレストラン「メゾン・ピック」のシェフです。祖父の代から三つ星が輝く家で育ったアンヌさんは幼い時、ファッションデザイナーになりたかったといいます。

Photo courtesy of Dior

草花を愛し、独自の感性を駆使して素材を組み合わせ美を生み出す。ムッシュ ディオールとアンヌさんの共通項。

Photo courtesy of Dior

Photo courtesy of Dior

開放感あるガラスの向こうには、西畠清順さんが手がけた庭園が広がります。

和紙で作られたランタン。「先日の雪でも大丈夫だったよ。日本の技術は素晴らしいね!」と、カフェマネージャーの方が話してくださいました。

お手洗いも煌びやかな竹林!でした。

日本の意匠が散りばめられたブティック

柔らかな曲線が美しい和紙の壁面に包まれるように、2026年春夏 コレクションが展開されていました。

見上げると和紙の照明。至る所に日本の意匠が散りばめられています。

魚市場から回収した発泡スチロールを使用したテーブルと藻類が入った樹脂で作られたイスはwe+の作品。それにしても庭の茶室が気になる。

テキスタイル作家の光井花さんが手がけた、い草や刺繍で「トワル ドゥ ジュイ」を表現した試着室。

畳の天井。

幼少時代、生家の入り口を飾っていた喜多川歌麿のフレスコ画を眺めて過ごしていたというクリスチャン・ディオール。子供の頃から、日出づる国はクリスチャン・ディオールの情熱の対象でした。
1954年秋冬の、黒澤明監督の『羅生門』に影響されたコート"Rashomon"には京都 龍村の織物が使用されていました。

ガリアーノ時代の北斎コートも忘れられない。(2022年 東京都現代美術館での展示)

Christian Dior Spring 2007 Haute Couture Collection "Suzurka-San"
John Galliano for Christian Dior
葛飾北斎《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》を手描きと刺繍で表現した麻のコート。

そうそう、コレクションにいつも登場するてんとう虫もハチも楽しそうでした。

ずっと憧れ!ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌの「Diorette (ディオレット)」にもてんとう虫。

ジョナサン・アンダーソンがデビューコレクションで発表した「Dior Couture Charms」スターリングシルバーのネックレス。ドイツ製のハチさん。

トルーマン・カポーティ著《冷血》の初版の表紙をまとった「Dior Book Tote」にもBEE バッグチャーム。裁縫バサミ、指ぬき、テープメジャーで構成されたアトリエなハチ。

オートクチュール(顧客のためにつくられる一点もの)を手がけるクチュールメゾンには、最高の職人技が保存されています。この要素はプレタポルテ(高級既製服)にも散りばめられています。

メゾンの世界観が充満した空間で商品を見る。それは、自分が手にしている服が辿ってきた道を視ること。それを見い出して感じた「喜び」が、着る人を美しく魅せる。

ラックが竹製でした。

ディオールが、日本との揺るぎない絆を継承しオープンした「ディオール バンブー パビリオン」。

草花と旅を愛したクリスチャン・ディオールの美学は、今もたくさんの嬉しいを私たちに運んでくれています。

松屋銀座1階 ディオール

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Lulu.


2010年~2021まで11年間、VOGUE JAPAN でブログを執筆。馬と博物学的世界、ムー的世界を愛し、不思議を視たい!と旅に出て、「好き」と「感動」を掻き集める。高校時代に障害飛越にのめり込み、今はたまーに外乗を楽しむ50代。現在はnoteで発信。